28冊目「この国を出よ」柳井正&大前研一著を読んだ感想

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■この国を出よ。柳井正大前研一著を読み終わった瞬間の気持ち。■

世界で戦うビジネスマンの言葉が鋭く心に突き刺さる。
グローバルに戦う経営者になると目の前の仕事のことだけでなく、政治問題や日本がこの先どうやって発展していくべきかなども見えてくるものなんだろうな。
カッコイイな。

■なぜこの本を買ったのか■

私は今の仕事に対するモチベーションが低下していまして、自分のモチベーションを上げるために情熱を持って仕事に取り組んでいる人の考え方や、仕事に対する姿勢を知ることで刺激を得ようと思っています。

この本は本屋さんのビジネス書が集められている本棚で発見しました。
本の題名にインパクトを感じると共に、ユニクロの社長である柳井正さんと企業経営コンサルタント等で活躍している大前研一さんという日本を代表するビジネスマンのお二人の対談を収めていることに刺激的な魅力を感じて購入しました。

■この本の内容、あらすじ■

柳井正さんと大前研一さんのお二人の共通認識として日本の未来は危機的な状況にある。
日本のどこが駄目なのか?では駄目な部分をどうしたら改善できるのか?その状況下で企業はどうすべきか?個人はどうあるべきか?そして日本の未来を担う若者に足りないものと、若者に向けたエール等、世界を股にかけてビジネスの世界で戦うお二人による対談をまとめた内容となっていました。

■この本の感想、この本から学んだこと■

・中国やシンガポールの人達にとって日本は物価が安いし、温泉もある保養所として良い場所であって先進国ではないと思われているとの指摘には驚き。
日本以外のアジア諸国が発展するにつれて、日本をアジアで一番と思っているのは最早日本人だけなのかもしれない。その事実を知らない人、知ろうとしない人が日本にはたくさんいるから判断を誤る。

・何より日本を駄目にした犯人は政治家と官僚。
特に政治家は政策を言うだけ言っておいて実行しない嘘つき。
企業取引において嘘つきは最も信用を失う行為。

・政治主導の保護政策で生き返った産業はひとつもない。

・政治のバラ撒き政策は日本沈没を招くだけ。所得の低い人の意見ばかり聞いて、高所得や高収益の企業から高い税金を取り続ければ平均所得はさらに下がるだけ。優秀な人や競争力のある企業を優遇し、才能ある人を伸ばさなければ新しい雇用や産業も生まれずに国の死期を早めるだけ。

⇒学生の頃は学校の先生やテレビで見る政治家が優秀な大人に見えていたけども、社会人になると優秀な上司や取引先の方と会う機会が増えたことで、私でもお二人の意見には共感できます。
政治や行政機関は小さくして民間の力に任せるほうが良いに決まっている。アホな政治家を当選させないように選挙には行くべきだと思う。

・日本企業は失敗を社内で共有化せずに将来に渡って同じ失敗を繰り返す。アメリカではコーポレートメモリーと呼ばれる、学んだことや失敗したことはしっかりとデータに残して社内に共有化、資産として残す文化があるそうだ。

⇒これは納得。私の会社でも起こりえる。担当者の引継ぎだって無いに等しいし。そういうところから意識してマネジメントできる人材になりたい。

・「ゆりかごから墓場まで」イギリスがかつて社会保障を充実させたことで、国民が必死に働く意欲を失い、企業は既得権益を守ることに力を注ぐようになってしまい世界経済からイギリス経済が衰退した歴史がある。

⇒学校の授業でゆりかごから墓場までというキーワードを習った記憶がありますが、その後にイギリス経済が衰退したことは習っていない気がします。
社会保障を国が充実させることを素晴らしいと思ったのですが、結果的に国が衰退したら元も子もない。本当に学校でイギリスがその後に衰退したことを教えていないのであれば、本質を見誤った考え方で権利だけを主張する人間が増えて良くないと思う。適正な社会保障が大切。教科書訂正すべき。

・どんなビジネスであっても最終的な評価を下すのは顧客。自分の仕事を認めてくれる人、自分の仕事に対して喜んでお金を出してくれる顧客を一人でも増やしていくことがビジネスの本質。顧客の創造。顧客は何を求めているかを追求するのがビジネス。

⇒柳井さんは批判されることも多い人かと思いますが、批判に負けずユニクロファンを作り続けて欲しいし、私も批判だけに耳を傾けるのではなく、喜んでくれる人を大切にしたい。

・フリースは東レから原料を買い、インドネシアで糸を紡ぎ、中国で編むことで低価格を実現。

⇒アパレルの世界は色んな国で製造していることを知った。アパレルは国内工場が衰退しているとか聞いたことあるけど、安くて良い製品を作るために海外で製造することを決断し、結果を出している人達も評価すべきだ。批判だけするのはフェアじゃない。

■今後の自分自身への宿題■

・政治関連の本を一冊読んでみる。
・日本の借金は問題なのか知りたい。

この本の中では日本の債務状況が危機的であると何度も指摘されていますが、本が出版された2010年から7年が経過している現在、日本は日経平均株価も2万円台と高い値を維持している。債務が危機的であれば日本はもっと不景気なのではないだろうか?
経済のことがよくわからないので一冊本を読んで理解したい。

・引き続き読書を続けること。