17冊目「日本一元気な30人の総合商社」寺井良治著を読んだ感想。

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▲日本一元気な30人の総合商社

日本一元気な30人の総合商社を読み終わった瞬間の気持ち。

商社の仕事、役割とは何かがわかった。そして商社の仕事は楽しそう。

なぜこの本を買ったのか

私はとある専門商社に勤務しています。
新卒で入社してから5年が経ち、最近は仕事に対してやる気が少し無くなってきました。
そんな自分に向けて刺激が欲しいと言いますか、あらためて商社で働くことの意味を考えたいな、仕事に対するやる気を上げたいと思い、本屋さんで商社で働いている経営者や会社員が書いた本を探す中でこの本を見つけました。

この本の内容、あらすじ

著者の寺井良治さんは大手総合商社の双日の元社員で、現在は本の題名である日本一元気な総合商社ことイービストレードの社長です。

イービストレードは寺井社長が起業した会社ではなく、双日が新規事業を立ち上げる目的で創ったインターネット商社を標榜する関連会社でした。
著者である寺井さんは双日では化学品を扱う部署で課長として働いていましたが、ある日の辞令でイービストレードへ出向することとなり、化学品とは全く関係のない分野で働くことに。

しかし当時のイービストレードの業績は赤字で倒産間近な状態、寺井さんは何故かイービストレードの立て直しを双日から言い渡され、そこから必死で働きながらイービストレードの業績回復と双日からの独立と上場、社長就任までの物語とイービストレードがどんな事業を行っている会社なのかが語られています。

この本の感想、この本から学んだこと

「商社とは取引先とともに額に汗し、誰も目をつけなかった市場の開拓や新たな事業を育てることにあったはずです。」
「そもそも商社というと、ひたすらモノを売る集団と思われがちですが、単なる売り子ではありません。商社は国の内外にこだわらず「これだ」と思える商材を世に送り出すために、輸出や輸入、三国間取引などのトレーディング、事業に必要な資金調達や有望企業への出資や融資を行うファイナンス、商品の輸送、情報の収集分析、海外進出のコンサルティング、さまざまな外国為替を扱う決済業務まで、ありとあらゆる機能を持っています。これらの機能を駆使して、一言でいってしまえば、売るための仕組み=商売のインフラを作っている。」

上記はこの本から引用させて頂いた文章ですが、あらためて商社とは何かを就職活動以来ぶりに復習した気持ちになりました。
また私自身が創業者や先輩方が創った仕組みの上で営業活動をしていることを認識できました。

今まで私は会社で所謂ルート営業と呼ばれる営業をしており、5年目ともなると人間慣れるもので新入社員の頃に全力でやっていた仕事も力をセーブして取り組むようになり、新規事業とか商社らしい仕事などをしたいなぁ、今の仕事はつまらないなぁと思っていたことを少し反省しました。

新規事業と口で言うのは簡単ですが、アイデアだけでなくきちんと利益を上げるためには一人の力だけは不可能であり、多くの人が関わる仕組みを創ることが必要です。果たして今の自分にその仕組みを創ることができるのか?口で言うだけでなく、利益を上げる事業をゼロから生み出すことができます?

答えはNOだ。

新しいことをしたいという気持ちを持つことは良い事だけど、きちんと利益を上げる仕組みを創りきることを考えながら、今の仕事の仕組みを考察しようと思う。

新しい事業を生むために、美点凝視をすることがこの本の中で勧められています。
美点凝視とはその物事やモノや人の良い部分だけを取り上げることを言います。
何か新規事業をするとしても、人はリスクや悪い点に注目してアイデアを形にできないことが多い。大きい会社であればこそリスクを取ることができない傾向が高い、それでは前に進めないので、まずはそのアイデアの良いところだけに注目してみる。
この考え方は日頃の生活で取り入れたい。

王道から視点を少しずらして考える。
この本ではビジネスを考える際に王道から少しズラして考えることが提案されている。
例えばイービストレードではロシアに営業拠点を持っているが、所在地は首都のモスクワではなくシベリアだ。
大手商社はこぞってモスクワに支店を置いているが、イービストレードは従業員30人の中小企業なので大手商社とは戦えない。そのため大手商社では狙わない都市に支店を置くことで身の丈にあった売上規模を目指し獲得している。
実際にシベリアは日本車の中古市場が開かれており、町では日本車が走り回る親日都市だそうだ。
イービストレードはシベリアにおいて日本車の中古車を輸出することで利益を上げている。

イービストレードの事業は少し工夫をしたり、人が狙わない市場の中で光るモノを見つけて利益を上げることで大手商社と同水準の給与体系を維持しているそうだ。
何か新しいことを考える際には、どうせ既に競合がいるからと諦めるのではなく、何か変化球を投げるつもりで商材や市場を考えることで可能性を探ることを学びました。

今後の自分自身への宿題

今の私の仕事の歴史と会社内外のどの部署と人が関わっているかを改めて確認し、どんな仕組みなのかを知る。

こそこそ始めた自分の趣味に関するブログを自分の好きなこと、自分だけの切り口で書いてみる。