35冊目「日本の工芸を元気にする!」中川淳著を読んだ感想。

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■日本の工芸を元気にする!中川淳著を読み終わった瞬間の気持ち。■

いい仕事だなぁ。こんな仕事したいなぁ。

■なぜこの本を買ったのか■

私は今の仕事に対するモチベーションが低下していまして、モチベーションを上げるために情熱を持って仕事に取り組んでいる人の考え方や、仕事に対する姿勢を知ることで刺激を得ようと思っています。 

この本は本屋さんのビジネス書棚で発見しました。
前回読んだ本「なぜ京都の企業は独創的で業績がいいのか」の中に江戸時代の商人の話がでてきました。
当時の商人達は各地の職人と提携を結び、仕事毎に各職人の特徴を把握しながら仕事を振り、お客さんの希望に叶う商品を造るプロデューサー的な役割を担っていたという。

個人的にはその仕事に興味というか、そんな仕事ができたら素敵だなと思うことができたので、伝統産業で働く人の本、現代の商人みたいな仕事の本を探していた時にこの本を見つけました。

■この本の内容、あらすじ■

著者の中川淳さんは奈良創業300年の中川政七商店の13代目社長。
京都大学卒業後に富士通に就職。
約2,3年間の勤務後に実家の中川政七商店へ転職。
12代目社長でもある父親の跡を継いで13代目社長に就任。

この本では著者の中川淳さんが家業に入った後に、中川政七商店のブランディングに取り組んで業績を回復させた話が中心となっていました。
中川さんがどんなことを考えながら仕事をしてきたか、同じように中小企業に勤めながらどういう考えで自社をブランディングしていくべきかが参考になる本でした。

■この本の感想、この本から学んだこと■

・外部の著名なデザイナーを起用するとしても、継続して使う経済的余裕がなければ本当の意味での効果は期待できない。自社の特徴、自社らしさを一番理解しているのは自社の人間であってしかるべき。

⇒仮に今勤めている会社でデザインを考えるとしたら、外部に委託する。なぜならデザインできる人がいないから。デザインに関わる仕事がないので、そういうものなのかと新鮮だった。

・ブランドの世界観を出すなら百貨店では制約が多すぎ。

⇒仮に自分の会社なら売上と世界観なら売上を重視するが、長期で考えると世界観が大切なのか。

日産自動車のエモーショナル・プログラム・バイブル

⇒これは一度読んでみたい。

・雑誌や写真集、さまざまな物の中からそのブランドらしいものと、そうでないものを選んでブランドイメージを具体化。

⇒面白い。デザインに関する仕事や作業に触れたことがないので、参考になる。自分の趣味を発信する際には一度試してみたい。

・寄せ集めではなく、一つの価値観の下に意思を持って選んで編集する。

⇒これもいい仕事。

・現場の負担を軽くして、本来戦うべきところに経営資源を集中するためには、中小企業こそITを活用する。

・デザインはそれを見る人とコミュニケーションをとることなので、優れたデザイナーはコミュニケーションをコントールすることに長けている。

⇒デザインとはコミュニケーションだ。初めて知る考え方。

・問屋機能とは物流、在庫調整、与信管理、情報提供機能。顧客は求めているもの、こうすればもっと売れる情報をメーカーと小売りに提供する。

・ものづくりはプロダクトアウトであるべき。こちら側が楽しみながら、本当に好きなものを提供すれば共感してくれる人は必ずいる。

⇒ビジネス書ならマーケットインだけど。ブランドを作るなら逆ということか。

・ラグジュアリーブランドは価格や希少性ではなく、ブランドそのものが生まれ持った哲学や価値観であることがわかる。

⇒何か買う時に企業の哲学なんて考えたことない。考えないけども本能で感じているのかもしれない。

・つくり手と使い手、両者をつなぐ伝え手。

⇒今できること。

■今後の自分自身への宿題■

・引き続き読書を続けること。
・デザインとブランディングに関する本を一冊読んでみたい。新鮮過ぎて面白い。自分の趣味の情報発信する時には、参考にできる。