21冊目「放浪ニートが340億社長になった」中村繁夫著を読んだ感想

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放浪ニートが340億社長になったを読み終わった瞬間の気持ち。

最近では起業と言えばIT企業ばかりの中、レアメタルを専門に扱う商社を起業した話は新鮮で、より質の良いレアメタルを求めて世界の鉱山を渡り歩き、鉱山のオーナーとの価格交渉に挑む著者の姿はビジネスマンのあるべき姿の様に見えてカッコイイと思った。

なぜこの本を買ったのか

この本を読む前に「越境せよ」石田和靖著という本を読んだことで、世界の発展途上国が知らない間にどんどん発展していることを知りました。
私は一人のサラリーマンとして日経新聞やテレビのニュースなどは人並みに見ているつもりでしたが、世界の情勢のことを全く知らないことを知りました。
そこで世界を相手に仕事をしている人の本をもっと読んでみたい、そして世界で起きてることを知りたいと思いこの本を本屋さんの起業した本が集められた本棚で見つけて購入しました。

この本の内容、あらすじ

著者の中村繁夫さんはレアメタルを専門に扱う専門商社、アドバンスト・マテリアル・ジャパンを起業した方です。
本の題名の通り中村氏は学生時代に放浪ニートとして世界を旅し、4年遅れで蝶理という専門商社に新卒で就職。蝶理では最初は管理部門に配属後、中東地域で綿花を輸入する仕事、非鉄金属を取り扱う仕事に従事し、営業部長を務めた後に起業。そして現在は売上高340億円を達成する。

この本では中村さん学生時代の世界放浪時代から現在の社長になるまでのストーリが語られており、読者に向けて中村さんの生き方や考え方が纏められていました。

この本の感想、この本から学んだこと

携帯電話に内蔵されている小型モータの先端にはタングステンというレアメタルが使われており、マナーモードの振動を生み出している。もしタングステンの代わりに鉄を使うと何倍もの鉄が必要になって携帯電話のサイズが大きくなってしまうそうだ。
つまりレアメタルがなければ携帯電話は小型化できないほどにレアメタルは私達の生活の身近に使われている。

日本は世界の中でもレアメタルを大量に消費する国でありながら、レアメタルは海外から輸入しなければ手に入らない。
しかしレアメタル産出国の途上国は日に日に発展を遂げており、日本に輸出する前に自国で消費するようになってきていることからレアメタルの価格は上昇を続け、材料確保が難しくなってきている。

中村氏曰く「自分の興味のあることや好きなことを徹底的に追及すると人生が面白くなる。」このような好きなことで生きていく的な言葉はよく聞きますが、好きなことを自分の中で作ることがまずは大切であることをあらためて感じた。

ソグド人と呼ばれるウズベキスタンに住む民族は商売に長けた民族であり、生まれた子供にハチミツを咥えさせ、手には金貨を握らせる風習が残る古代から商売によって繁栄してきた民族。そのため中村氏曰くソグド人との交渉は全く勝てないほど商売上手。

日本に住んでいると民族という言葉の意味はわかるけども実感はない。日本には日本人という民族しかいないから。でも世界には一つの国の中に色んな民族がいることがあり、彼らの歴史や信仰について理解していないとビジネスは成立しない。つまり世界で活躍するためには自国の歴史を語ることはもちろん、相手の歴史を許容できる知識というか多様性が必要。

レアメタル鉱山の多くは途上国にあることから交渉相手もその地域の人となる。そのため中村さんは交渉前には現地の雰囲気、現地の人がどんなことを考えているのかを知るために現地の人の家やローカルなホテルに泊まり、現地人と酒を飲みかわすようにしているそうだ。
今時こんな泥臭い話はあまり聞かないと思いますが、ビジネスをする上で大切なことだとあらためて感じました。

机の上で考えただけのことは大抵失敗する。情報は現場、現物、現実、の三元主義を大切にしていることは自分にも戒めの言葉だ。

企業の中で同じ考えの人が増えてきたら大企業病の始まり。仲の良い人が集まりなあなあで仕事はするのは楽であり居心地が良いかもしれないが、それでは企業は生き残れない。
なあなあの関係を作らないように中村さんの会社では毎年営業成績がビリの人は必ず解雇にする仕組みがある。
この仕組みは日本企業では抵抗があると思いますが、大切なことだと思うし素晴らしい取り組みだと思う。

商社とはお客様の要求に応えなければならないが、高級でなければ意味がない。
つまり商社は、知識集約型産業であり、産業のオルガナイザー(水先案内人)として超一流の自覚を持て。商社で働く身として心に響く良い言葉だ。

今後の自分自身への宿題

このブログで何回も思うことですが、自分が心から好きと思えることを作る、探すこと。
読書をすることで普段の仕事で接することのない人の考えに触れることができるので、読書を続けること。